• テキストサイズ

ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第13章 再会と新たな謎



ハーマイオニーは巨大な古い本を抱えて、まるで矢のように戻ってきた。息を切らしながらも興奮を隠せない様子で、彼女は本を開きつつ言った。


「この本で探してみようなんて思いつきもしなかったわ。軽い読書をしようと思って、ずいぶん前に図書館から借りていたのよ。」

「軽い?」とロンが眉をひそめた。

「もう突っ込むのはやめておくよ」とチユが笑った。


ハーマイオニーは一切の余計な言葉を無視し、「見つけるまで黙ってて」と言いながら、ページをめくり始めた。指先が一気にページを超えるたび、静かな空気の中でパラパラと音が響く。

「これだわ!思った通りよ!」と彼女が嬉しそうに声を上げると、ロンは不満げに言った。「もうしゃべってもいいのかな?」


ハーマイオニーはそれを無視し、興奮した声でドラマチックに読み上げた。「ニコラス・フラメルは、現状知られている限り、賢者の石の創造に成功した唯一の人物よ!」


「何それ?」とチユ、ハリー、ロンが口々に言う。


ハーマイオニーはため息をつきながら、再度本を差し出し、「まったく、みんな本を読まないの?ほら、ここ…読んでみて」と言った。


『錬金術とは、「賢者の石」と呼ばれる恐るべき力を持つ伝説の物質を創造することに関わる古代の学問であった。この賢者の石は、いかなる金属も黄金に変える力を持ち、また飲めば不老不死をもたらす「命の水」の源でもある。賢者の石に関する報告は何世紀にもわたって続いてきたが、現存する唯一の石は、著名な錬金術師ニコラス・フラメルが所有している。』


3人が黙って読み終わると、ハーマイオニーが興奮を隠しきれない様子で言った。「ね?あの犬はフラメルの賢者の石を守っているに違いないわ!フラメルがダンブルドアに保管を頼んだのよ。だって二人は友達だし、フラメルも誰かが狙っているのを知っていたはず。だからグリンゴッツから石を移したかったんだわ!」


「スネイプがそれを狙うのも無理ないよ、誰だって欲しいものだし。」ハリーが静かに言った。

/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp