第11章 ハリーの空中戦
「ハグリッドがもっと口を滑らせてくれたらな」ハリーがつぶやく。
「いっそのこと、開心術でも使ってみる?」
チユが冗談めかして言った。
「君って、敵に回したくないタイプだな」ロンが震えあがるフリをする。
「口じゃなくて、手を動かしてよ!」ハーマイオニーが少し怒ったように言った。
ハーマイオニーは調べるべき本のリストを取り出し、ロンは通路を大股で歩きながら、棚から本を手当たり次第に引っ張り出していた。
ハリーとチユは、『閲覧禁止』の棚に自然と近づいた。
「ここにあったりして…」
「ここはダメだよ。フレッドとジョージが次にこの棚に近づいたら、マダム・ピンスに身体の皮で手袋を作るって脅されてるらしいよ」
「僕、まだ手袋にはなりたくないよ。」
その時、司書のマダム・ピンスが近づいてきた。
「あなたたち、何を探しているの?」
「い、いえ…」
「それなら、ここから出たほうがいいわね。さあ、出て出なさい!」
マダム・ピンスは、毛ばたきで2人に向かって振った。
チユとハリーは仕方なく図書館の外の廊下で待つことになったが、収穫があるとはあまり期待していなかった。
もう2週間も何の手がかりもないのだ。
5分後、ロンとハーマイオニーも首を横に振り振り出てきた。4人は昼食に向かった。
「私が家に帰っている間も続けて探すでしょう?見つけたら、ふくろうで知らせてね」
「君たちは、家に帰ってフラメルについて聞いてみてよ」とロンが言った。
「うん、もちろん」
それについては少し自信があった。図書館の蔵書には及ばないが、リーマスの家にもたくさんの本があるし、彼は非常に博識だから、きっと何か知っているだろう。
「まあ、2人とも歯医者だけどね」
ハーマイオニーが冷静に答えた。
マグルの両親が、ニコラス・フラメルについて知っているとは思えなかった。チユは苦笑いを浮かべた。