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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第11章 ハリーの空中戦



12月になると、ホグワーツは一面の雪に覆われ、まだ完全には凍っていなかった湖もすっかり凍りつき、上を歩けるようになった。
グリフィンドールの談話室や大広間には豪快に火が焚かれて暖かさが漂っていたが、廊下は冷たい隙間風が吹き込み、まるで氷のように冷たく、教室の窓はその風に揺れてガタガタと音を立てていた。


「かわいそうに」と、ドラコは魔法薬の授業中、わざと大きな声でハリーに聞こえるように言った。


「家に帰って来るなと言われて、クリスマスなのにホグワーツに残るなんて」


マクゴナガル先生が、クリスマス期間中にホグワーツに残る生徒のリストを作成しに来た際、ハリーは真っ先に自分の名前を書いた。
もちろん、それはハリーだけではない。

ウィーズリー家の両親がルーマニアでドラゴンの研究をしているチャーリーに会いに行くらしく、ウィーズリー兄弟もホグワーツに残ることになった。

それ以外にもホグワーツに残る生徒は少なからずいた。ハリーがバカにされる理由はどこにもなかった。


ハリーはドラコの言葉を気にも留めず、無視した。


「君もホグワーツに残るんだよね?」
授業が終わった後、ハリーがチユに尋ねた。


孤児であるチユも、本来ならホグワーツに残るはずだった。
しかし、彼女には帰る場所があり、待っている人物がいた。


少し前に、リーマスからふくろう便が届いていた。

『もしよければ、クリスマスを一緒に過ごさないか?学校での話を聞かせてほしい』と書かれていた。


「ううん、帰ることにするよ」と、チユは穏やかに微笑んだ。


「お昼まであと30分もあるし、図書館に行こう」

「ああ、そうだった」


ハーマイオニーの提案に、3人は頷いた。

ハグリッドがうっかり口を滑らせた日から、4人は『ニコラス・フラメル』についてずっと調べていた。

スネイプが何を盗もうとしているのかは分からないが、その謎の手がかりがニコラス・フラメルにあるのではないかと考えたのだ。

厄介なのは、図書館があまりにも広すぎることだ。何万冊もの蔵書、何千本もの書棚、何百もの細い通路では、何も見つけられそうにない。


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