第11章 ハリーの空中戦
しばらく、グリフィンドールの寮はお祭り騒ぎだった。しかし、チユたちの4人は、ハグリッドの小屋に集まり、濃い紅茶を飲んでいた。
「スネイプだったんだよ。」ロンが言い出した。
「君の箒にずっと呪文をかけている所を見たんだ」
ハグリッドは一瞬、驚いたように目を見開いたが、すぐにその話を否定するかのように強い口調で言った。
「バカな、なんでスネイプがそんなことをする必要があるんだ?」
「でも、スネイプはハロウィーンの日、三頭犬の裏をかこうとしてかまれたんだよ」ハリーは勢いよく続けた。「あの犬が守ってるものをスネイプが盗ろうとしたんじゃないかって思うんだ」
その言葉に、ハグリッドの手からティーポットが滑り落ち、テーブルにぶつかる音が響いた。
「なんでフラッフィーを知ってるんだ?」彼は驚愕した表情で、問いかけた。
「フラッフィー?」と、ハリーとロンが同時に言うと、ハグリッドは深いため息をつきながら語り始めた。
「そうだ、あいつの名前だよ…。あれは俺がダンブルドアに貸したんだ。守るために。」
「守るため…?」ハリーが身を乗り出す。
「一体、何を?」彼の目には、真剣な光が宿っていた。
ハグリッドは一瞬、言葉を詰まらせたが、すぐに顔を強張らせて言った。
「もう、これ以上は聞かんでくれ。」
そして、少しだけ表情を柔らげながら言葉を続けた。
「とにかく、スネイプはホグワーツの教師だ。そんなことをするわけがない。」
「なら、どうしてハリーを殺そうとしたの?」と、ハーマイオニーが思わず声を荒げた。
その問いに、ハグリッドは顔をしかめ、さらに声を強めた。
「お前さんたちは間違っている!俺が断言する!スネイプは絶対にそんなことはしない。」
彼は言い切ると、少し息をつきながら続けた。
「4人とも、よく聞け。お前たちは関係ないことに首を突っ込んでいる。危険だ。あの犬のことも、犬が守っているもののことも、忘れろ。あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの—」
その瞬間、ハリーはハグリッドの言葉に耳を澄ませた。
「ニコラス・フラメルっていう人が関係しているんだね?」
ハグリッドの顔色が変わり、すぐに何かを思い出したように慌てて言った。
「もう、聞くな!」
しかし、彼の焦った様子が全てを物語っていた。