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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第11章 ハリーの空中戦



チユは一瞬驚いたものの、すぐに彼らの冗談めいた態度を察して苦笑した。


「え、えっと…あなたたち、何かご褒美が欲しいってこと?」

「もちろんさ!」フレッドが陽気に声を張り上げた。「だって我々こそが、今日の試合の影の立役者なんだからな!」

「言うまでもない!」
ジョージも完璧なタイミングで同調した。


チユは少し考え込んだ後、肩をすくめて答えた。
「うーん、わかった。何かご褒美を考えておくね」


双子の目が期待で輝く。「マジで?!」と2人同時に声を上げた。


「うん、でも…」チユはわざと間を置き、真面目な表情で続けた。
「次の試合でもっと活躍してくれたらね!」


フレッドとジョージは一瞬呆然としたが、すぐに互いの顔を見合わせて大笑いした。


「次回のご褒美、今から心待ちにしているよ!」
フレッドが片目をウィンクしながら言った。

「我々の活躍を見逃すなよ!」
ジョージも愉快そうに付け加えた。


「まぁでも、今回何も無しじゃ可哀想だしね……ほら、これ」チユはローブのポケットから取り出した2色の飴を差し出した。


「赤いのは舌が伸びて、青いのは耳から煙が出るよ。お好きな方をどうぞ」


それは以前、チユがジョージに医務室で受け取った不思議な飴だった。特別な機会のために取っておいたものが、ようやく日の目を見ることになった。


「おおっ!これは貴重な代物だ!」
フレッドが目を輝かせながら言った。

「姫、君は最高の理解者だ!」
ジョージが飴を受け取りながら感謝の言葉を述べた。


チユはあまりにも無邪気な双子の姿に思わず微笑みながらも、心の中では「どうか私の約束を忘れてくれますように」と密かに願った。

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