第11章 ハリーの空中戦
歓声が響き、再び顔を上げると、ハリーがスニッチを頭上に振りかざして叫んでいた。
リー・ジョーダンが嬉しそうに試合の結果を告げる。
よかった、ハリーが怪我せずに無事に終わったんだ――
みんなの元へ戻る途中、チユは突如として満面の笑みを浮かべた双子に両側から挟まれた。
「見てたか?俺たちの神業級プレーを!」
フレッドが目を輝かせながら尋ねた。
「どうだい?息を呑むような華麗さだっただろう?」
ジョージが続けて、わくわくとした表情で付け加えた。
見ていなかったとは言えなかった。
それに、あの騒動がなくとも、あんなに遠い距離からでは、どっちがどっちか区別がつかなかっただろう。
いや、他の選手たちとも見分けがつかないくらいだ。
チユは気まずそうに、少し間を置いてから、「あーー、うん。すごかったね」と歯切れ悪く返事をした。
双子は顔を見合わせ、互いに満足げな微笑みを交わした。
「さてさて、功労者である我々にも何か特別なご褒美があってしかるべきじゃないかな?」
フレッドが悪戯っぽい笑みを浮かべながら言った。
ジョージはすかさず息ぴったりに続ける。
「ハリーの活躍も素晴らしかったけどね、我々の比類なき勇気と閃きにも讃辞を贈るべきだと思うんだ」
「その通り!俺たちがいなければ、今日の試合はあんなに盛り上がらなかっただろうよ!」
フレッドが胸を張って宣言した。
双子は揃ってチユに期待に満ちた視線を向けた。