第11章 ハリーの空中戦
「俺のためにもそのフォークテクを披露してくれよ!」とフレッドが片目をウインクしながら言う。
「そうだそうだ!ハリーだけずるいぞ、俺たちだって今日は大活躍する予定の選手なんだからな!」とジョージが大げさに悲しそうな顔をした。
「そうだった、2人も選手だったね」チユが思い出したように言う。
「なんと!忘れられてたとは!俺たちの存在感の薄さにショックだ!」とフレッドが肩をすくめて、もったいぶった溜め息をついた。
「きっと、目に入るのはハリーだけで、他の男は霞んで見えないんだ」とジョージが胸に手を当て、後ろに倒れるふりをする。
「ごめんごめん、2人も頑張ってね!」
チユが明るく微笑むと、フレッドは大げさに腰に手を当てて言った。
「姫からのお言葉とあれば、今日はブラッジャーを100倍の威力で打ち返してやるぜ!」
「その通り!姫のために、俺たちスリザリンの連中を箒から落として、湖にドボンさせてやるからな!」
ジョージも続けて、胸を叩きながら豪快に笑った。
2人は肩を叩き合い、笑いながらその場の空気をさらに盛り上げた。
しかし、チユはそれに少し戸惑いながら「そこまではしなくて良いと思うよ」と軽く苦笑いを浮かべた。