第6章 【親友】
「抱いて俺に惚れさせてやるッ!だから...!!だから....!!あの男にだけは、近寄るなッ...!!!」
「やめろ!!海里ッ!!」
間に合った...のか??俺は海里の前に立ち塞がった。
だがーー海里は、いつもと同じように、堂々とした笑みを俺に向けるだけだった。
少年は、俺の登場に驚き、足早に去っていく。
「李太...」
海里は、髪をかきあげた。
映画の主人公のように、何をやっても海里は様になる。
「やっと気づいたか...俺に騙されてた事に...」
ここで、海里は俺の肩に手を置いてきた。
「俺はお前が親友なんて、思った事無いんだよ...」
くくく...と、海里はわざと意地の悪そうな笑い声を上げた。
「所詮李太なんて、俺の玩具だったんだ...」
本物の悪魔のように口角を吊り上げている。
「...海里...俺が惚れた女の子と付き合ってたのって、まさか...」