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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第10章 【後輩】




「そこ!何をしている!」


その瞬間、警察が駆けつけてきてくれたようだ。ホッ...と胸を撫で下ろす。


「げっ誰だサツ呼びやがったの!!」


ーーー俺です、なんて絶対言えねぇ...!


そのまま、不良たちは警察に連行されたようだった。
その瞬間、制服の袖を掴まれる。俺が今まさに庇った、男子中学生から。


「あの...ありがとう...ございます...っ」


ーーーありがとう、ございます...


じぃいん、と胸に染み入るものがあった。頬の痛さも相まって。


「いえ...俺はこのくらい...」


恐怖心が無くなっていき、優越感を感じ始める。


ヒーローっぽい台詞なんて、不良たちの前では喋れなかったけど...これは十分、"聖人"といってもいいのではないか...


ふつふつと、その想いが込み上げてくる。


「僕...霧橋想と言います、アナタのお名前...お聞きしてもいいですか...?」


ーーーえっ...


男子中学生の、俺への羨望の眼差しに心がぐらつく。


「あ、あぁ俺は柊ーーー」


「君!ちょっと、署まで私たちと共に来てくれないか?」


警察に間に割って入られる。事情聴取のために、連れられそうになる。


「えっ、あっ、ちょっ、待っーーー!」


男子中学生ーー想君の叫びも虚しく、そのまま俺は引っ張られていかれた。


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