第6章 【親友】
海里と、今朝俺にラブレターを渡してくれた少年がーーーー
口づけを、交わしている。
ーーーはぁああああぁ!!???
頭が真っ白になった。
ーーー俺...俺は、お昼休みにお返事を返そうとしたんだ。
『ここは...お友達から...がベストか...?』
ああでもなんかそれって、相手を期待させることになっちゃうんじゃ...
と、思春期らしく悩みに悩み抜いた結果、ラブレターを渡してくれた少年がどこに行ったのかをクラスメイトに聞いて、今、昼休み中に返事をしようと思ってたのに..!!
『信じて...』
海里...お前まさか..."これまで"も...!?
ーーーあ...!
その瞬間、海里と、目が合ったーーー。
海里はひどく驚き、一瞬目を見開いたーーーが、諦めがついたように、俺をぼんやりと眺めてくる。
海里は少年を抱きしめ、口の中に、桜色よりも赤い、舌を挿れた。
「っ......!!!」
ーーー目が合った瞬間、さらにエスカレートしてんじゃねぇか!
まだ俺は、ずっと海里と目が合っている。
ーーー海里...息を荒げて....顔に汗もかいて...
チュグ...ッという、舌の絡み合う生々しい音が嫌に響いた。
ーーー..もしかして...あの少年とのキスで気持ち良くなってるのか....!?
ーーー俺に見られてる事も知りながら.....ッ!?
「やっ...やめてっ...!海里くんっ...!!僕は、李太くんの事が好きなのにっ...!!」
赤面する少年が何かを喋ったみたいだが、遠すぎて俺の耳には届かなかった。
ーーーこの嫌悪感...何だ?海里に向けられるべきなのに...俺は...