第6章 【親友】
心を見透かされたように、頭を抱き締められる。
「信じて...」
海里はごくたまに、気弱な言動を取るのだ。
「海里...」
表情は見えないが、また切なげにまつ毛を震わせてるんじゃないかと思うとーーー俺は、きゅうっと胸が苦しくなる。
「...分かった...悪かった、俺はお前を信じる...」
俺から、海里は身体を離す。いつもの、王様のような表情に戻っている。頭の上には勝利の王冠が見えた。
「それでこそ李太だ...」
結局、いつも通り許してしまうんだよなぁ...海里の事。
ーーーでも、喧嘩するよりかはマシかぁ...
あっという間に、昼休みになった。
意を決して屋上の扉を開くと、ゆらりと揺れる、2人の影があった。
ーーー俺は今、とんでもないものを見ている....!
「か....海里ッ..ッ!?」