第6章 【親友】
「好きです、付き合って下さいだってさ」
海里という、この美少年の親友は、あまりに俺様気質だ。
「...良かったね」
という、ぎこちない言葉を残されて、手紙を胸に押し付けられる。
え...
えええーーーー!!!?????
俺は今、人生初のラブレターを貰ってしまったのだ。
「どうしよっ...!!コレェッ!!!海里ぃ!!!初めて貰ったぞ!!ラブレタぁー!!!」
あまりのことに、はしゃぎ倒してしまった。海里の瞳を覗き込む。
すると、嘘みたいに美しい微笑みを向けられ、また頭を撫でられた。
「..........」
無言で。
光に反射して白い、長いまつ毛の下の、瞳の奥が笑ってない。
ーーーこういう時のこいつ、大体嘘ついてるんだよな....
落ち込んでる俺見てせっかく機嫌良くしていたのに、喜ぶ俺見て気に食わなくなったのだろう。
親友だから、一緒に喜んでくれると思ったのに...
俺の読みが甘かった。が、こいつはそういう奴だ。なんていうんだっけ、フレネミー?みたいな奴。難しい男だ。
だけどどうしてなんだろう...
それでも俺は、こいつのこういうところを許し、変わらない親友で居続けているのは....。
キーンコーンカーンコーン...
「やべっ、次の授業の課題終わってなかった...!」
あれからずっと、ラブレターに気を取られていた。
ーーーちゃんと...今日中にでも返事を出すべきだよな...
そんな事を考えていたら、2時限目の授業も終わっていたらしい。
ーーーあれ...?海里...?