第6章 【親友】
「結婚♡」
今度は、ニコリとした天使の笑顔を見せつけられる。
近くにいた女子は、きゃああっ♡と黄色い歓声を上げていた。
やってることは悪魔のままだけどな..。
「だからやめろってぇえええ....うぅ....なんか俺が惚れた芸能人、ことごとく同じような理由で引退するしっ...!!そして俺は推してるアイドルの結婚すら素直に喜べん....!!俺はカス...!」
その瞬間、俺の頭に、海里の頭が寄せられる。
ふわりと、海里独特の匂いがした。
どこか微かに甘い、海里の匂い。
「そんな事ない..俺がお前を慰めてやろう、存分に抱きしめてやる」
いやぁああああ〜〜♡と、その場が湧き上がる。
周りにいた女生徒達が、皆海里に見惚れていた。
「しばらくは俺で十分だろう?」
また、きぃやぁぁああーー♡っと、大きい黄色い歓声が上がった。
いや...あの......
絶世の美少年に、一瞬本気でドキッとしかけたが、我に返る。
「お前に今、傷付けられたんだが...俺は....」
海里はちょっと呆然とし、身体を離す。
「?どうしてだ?」
本当に心当たりが無さそうに、こいつは堂々としている。
ーーーその瞬間、グッと、また海里に腕を引かれた。