第5章 【ご主人様】
「ぱこぱこ、しませんか?」
臀部を触らせて娼婦のように誘惑する。
若干頬を赤らめて、蕩けた瞳で。
主様は、ゴホッ!と咳き込んだ。
「ぱ、ぱこぱこって...!はしたないからその言い方やめなさいっ...!」
ーーーどうしたら...主様とぱこぱ...いや、性的なご奉仕をさせて頂けるのでしょうか...
今回もお誘いは失敗...と思った瞬間、急に腰を引き寄せられた。
よろめき、主様に抱き止められる。
「その顔...キスしたくなるからやめなさい...、凛」
「....!!!」
驚いて、目を見開く。
主様は顔を赤らめて、必死に理性を保っている。
「あまり年上をからかうものじゃないよ...今みたいに君は簡単に襲われてしまう...」
「あ...主...様....っ」
ぱっと、反射的に顔を背ける。
羞恥を煽られ、頬が熱くなっていく。
「満更でもないような顔をして...まさか本当に、俺に襲われてみたかったのかい?」
主様は、目を見開いて瞬かせた。
「...っ!そ...そんな...ッ!」
腕の中で身をよじらせる。
その瞬間、パッと身体を離される。
「冗談だよ...これに懲りたら、もう二度と私をからかわない事だ...」