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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第5章 【ご主人様】




「君は本当に驚かせ上手な子だなぁ...はぁ、まだ心臓がバクバクいってるよ...」


主様は、額にうっすらと汗を浮かべて力なく笑う。
骨ばった指で、ネクタイを少し緩めていた。


ーーーですが。


チラリと、落ちて開かれたページを見る。


「主様、この私の目の前で、執事モノBLを熟読なさるとは...」


表情を一切変えず、腕を組む。


「こっ、これはだなっ...!...はは、君に見られてしまうとは恥ずかしい...」


ーーー私はただあるご奉仕をさせて頂く為に、飼われたのです。


「いつか、私に同じ事をさせようとしたのでしょう...」


と、私は主様を見下した。


「それともそういうプレイでしたでしょうか?」


ーーーそう、それは性的な。
 

主様を誘うように、執事服をはだけさせる。


「違う違うッ!それは君の勘違いだよ...!きっ、着直して貰えるかい...!?」


主様は、その渋いお顔を真っ赤にさせる。


渋々、執事服を着直す。


主様の年齢は40代半ばといったところだろうか。
若い頃は、なかなかの男前だったのではないかと想像できる位に、ダンディーで落ち着いた印象だった。


前に年齢をお聞きした際、


『君はまだ20代だろう?こんなオッサンの年齢を聞かせるのは恥ずかしくてね...』


と、はぐらかされてしまった事があるから、実年齢は謎のままなのです。


本当に、恥ずかしがり屋で不器用なお方だ。


ーーーそんな主様だから、いつもこうだ...。


ふう...と息をつく。


「私は主様に飼われた執事役ーーつまり、」


と、ここで目の下の影を濃くした。


「主様の奴隷なのですよ?」


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