第3章 【先生】
「今日の放課後、理科準備室に来てもらえますか..?」
授業終了後、皇先生は、俺の元にやって来た。綺麗な黒の長髪を、さらっとなびかせて。
「?はっ、はい....」
やべ、俺なんかやらかしたかな...
「ごめんねぇ..急に話しかけて驚かせちゃいましたね、山田くん」
と、皇先生は俺の肩に手をぽん、と置き、俺を安心させるように静かに笑ってみせた。
ーー流石女子人気No. 1教師。ほんっとキレーな顔。
「君が心配してる事はしないですよ〜っ...多分....ね......」
ふっ、と一瞬、先生は妖しげに見えた。
「た...多分とは...?」
俺はほんの少し、ドキリとしてしまった。
ーーー皇先生、そういう発言もするんだ...。
声も良くて、こんな台詞にも色気を感じてしまう。
こりゃ女子にモテるわ..。
「ふふ..ごめんねぇ冗談ですよっまた後でねぇ」