第3章 【先生】
ーーーなんで、皇空先生の授業になると、クラスの男子たちは、手をあげねぇんだろうな...。
女子にモテてるから皆嫉妬してるのか..?
と、俺はいつも不思議に思っていた。
先生の質問に答え終わって席につき、頬杖をつく。
ーーー俺だって授業中に、毎回手を挙げるような優等生じゃない。
だけど、嫉妬のせいで、授業中男子生徒から遠ざけられているのならーー
『僕...男の子のみんなに....嫌われちゃったのかもねぇ...』
と、困り眉でしょんぼりする、皇先生を想像してしまった。
ーーーそれは可哀想だな...だから挙手してしまった。
あの先生、柔和な態度で誰にでも優しいのにな...
生徒をちょっとでも傷付けるような言動、しなさそうなのに...。
「山田泉くん...」