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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第10章 【後輩】




「オラァ!金!出せやぁ!」


電信柱の影に隠れて、不良グループが男子中学生につっかかっている。


「はっ...はいぃ...出しますから!」


通行人は、見て見ぬふりだ。


...ベタなカツアゲやってるな...


流れてゆく通行人の中で、はぁ...と俺は息を吐く。


警察に通報してやる事ぐらいはできるか...


ーーー俺はこん中で一番聖人だからな...


そう思うと、心は自己愛に酔いしれる。人を助けるモチベーションがグンと上がった。


冷静にスマホを取り出して小声で通報し始める。


「んだよ!これしかねぇのかよ!」


不良グループは、中学生男子から渡された財布を地面に捨てた。


「ちっ、金無ぇなら殴らせろ!」


ビクッと、中学生男子と共に俺は肩を震わせる。


ーーーマズイな...


中学生男子は、目に涙をいっぱい浮かべていた。


ーーー気の毒に...


流石の俺でも、あそこに割って入る勇気なんて無ぇぞ...しまったな...このままじゃ...


ーーー"殴られている現場に遭遇しているのに、助けられなかった一般人"になっちまうぞ...


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