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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第10章 【後輩】




「やめて...先輩...ッ」


はぁ...と、そいつは吐息を漏らす。


俺の前で、部室の床に手をついて。涙を流す。


あどけない、幼い子供のような面影を残す、純朴な顔をした少年だ。


「お願い...」


あまりの苦痛に、誇りも尊厳も失われ、ただ力なく俺に懇願するしかなくなっている。


甘い甘い響きだった。理性がバットで殴られ、ぐにゃりと消えて無くなる。


「やめねぇ...あんた...俺に何したんだよ...」


誤解はしないで頂きたい。


俺は...俺こと柊智史はーー..."聖人"だったはずだ。


人が人を虐げる。あってはならない事だ。


分かっていた。


そんな事は誰より分かっていたはず...だ...。


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