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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第9章 【初恋】




外はどっぷりと暗くなっていた。


「...で?なんてメール届いてたんだよ...」


黒い部屋着に着替え直した海里を、俺は後ろからがっしり抱きしめていた。


「初恋の思い出は?だってさ...」


海里は、なんて事ないようにさらりと喋る。


「なんでそんな話!泪くんとやらはいきなり!」


「俺と友達になりたいみたいだな...多分李太にも同じようなメール届いてるだろ」


「あ、たしかに...つうか俺まだ怒ってんだからな!海里!」


海里は、若干目を丸くする。


ーーーちくしょう可愛いな...っ!もう一回分からせてやるか!?


だけど、甘えん坊モードの海里に搾り取られたからそりゃ難しいな...あと一週間ぐらいはエロい感情沸かない!


「海里お前だって、ラブレター俺が貰うの阻止しようとした事があったろ!虫ケラが落ちそうだって嘘ついてまでな!」


「なっ...!」


「あっ...」


やべ、触れちゃいけない話題だったかそれは...!


「っ....っ」


海里の顔が、林檎のようにどんどんどんどん赤くなっていってーー...


「気付いて...たのか...」


「ああ...海里の考えてる事なんか、すぐ俺は分かるからな...」


ぎゅう、とより一層強く抱き締めたら、海里は驚いてビクッとした。


「.............」


赤面したまま海里はジト目になって、俺の制服をきゅっとしてくる。


「李太...お前は...俺の事なんか、分かって...ない...」


「はいはい」


「本当に...分かったのか...」


「うん」


「李太...このまま帰るのか?」


「ああ...明日も、お前の家寄ってくから」


「本当に、帰るのか?」


恐らく海里は、また俺に抱かれたくなっている。


ーーー意外にこいつ、俺よりもエロいんだよなぁ...


「じゃあもうちょっと、一緒にいるか?」


海里の横で、俺はあぐらをかいて座り出した。


「いいの.....?」


この純朴な眼差し。いつもコレにやられてんだよなぁ...


「ああ、もうちょっとだけ」


海里の手を握った。


「はは...はははは...っ」


急に奴は笑い出す。天使でも悪魔でも無い美しい笑顔だ。
海里がその時、嬉し涙を一粒流していた事を、俺は永遠に知らない。


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