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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第9章 【初恋】




「ん?どうしたの?瞬くん...今日はぼんやりさんなんだねぇ」


はた、とまた我にかえる。泪の顔を夢中で眺めていたらしい。


「あっいやなんでもねぇ!」


声が途中で裏返る。


「んじゃー、俺こっちだから、泪、瞬、じゃあなーっ」


カナエに手を振ったら、泪と2人きりになってしまった。


「....」


若干、気まずい。微笑み続ける泪の髪が、風でさらさら揺れる。


『たはっ、今ピクンってしたぁ〜』


「瞬くん瞬くん、僕また1人お友達が出来そうだねぇっ」


ビクッ!と肩が震える。


今の泪が、中学時代の頃の泪と重なった。あの、ポニーテールから水を滴らせていた泪と。


「あっ!ああ...!よ、よかったなっ」


ーーーやべ...また、思い出しちゃった...


なんとなく、口に手を当てて咳払いをした。
そんな俺に構わず、泪はぐいぐい顔を近づけて喋ってくる。


「あと李太くんともねっ」


「!海里...さんだけじゃなくてそっちの人ともか!」


と、その瞬間、


「瞬くんっ!」


いきなり自転車が俺に突っ込んできたーーー。


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