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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第9章 【初恋】




「ぐすっ...ぐすん...っうぅっ...うえぇっ...あああ....」


俺は当時幼稚園児で、休み時間に誰も構ってくれなくて...泣きじゃくっていた。眼鏡を曇らせて。


それは入園式での事。


「お前...千聖って言ったか....」


そこに現れたのは、晶大だった。


「だ、だれぇ...?」


「ちーくん、俺がお前のともだちになってやる...!」


ぎゅうっ!と、晶大に急に抱きしめられる。


「やだ...!同情で友達になってくれたとしても、君も俺より大好きな友達を見つけちゃうのだろう...?」


幼稚園児の頃は、今より割とナイーブな性格だったと記憶している。今はこの通りだがな!


「ど、どうじょう?どういう意味...?まぁとりあえずだっ!未来のことはわかんねぇがっ!今は、お前が1番大好きだぜ!」


ニコリと、晶大は、満面の笑みで向き合ってくれた。


そんな男に、俺が惚れない訳が無くてーーー






「へぇ...!その女の子いいなぁ、俺もそんな事言われてみてぇーっ!!」


千聖を警戒していた事も忘れ、カナエは純粋に盛り上がっていた。


「ん?女の子?それはどなたの事だ?」


千聖はきょとん顔でカナエと目を合わす。


「え?だから、今の初恋の女の子の事ーーー」


その瞬間、後ろからメガネをかけた男が現れ、千聖の口を乱暴に塞いだ。


「おい...千聖...お前図書室に居ねえからどこ行ったかと思えば...何ペチャクチャ喋ってんだ...」


「ん〜!んんんん〜!んー!」


ーーー千聖の友達2か...!泪以外にも、友達いたのかこいつ...!


「行くぞ千聖っ!」


そのまま、千聖は突如現れた男にズリズリと引きずられていく。


「あ...あの...」


カナエが気まずくなって、その眼鏡の人に喋りかけようとしたら、


「.......」


無言で俺たちを睨み返し、廊下に出てその場を立ち去ってしまった。


「な、ななななんだあいつ...っ!」


と、俺は冷や汗をかく。


「千聖くんの彼氏さんだったのかもねぇ〜」


ちょっと申し訳なさそうに、泪はたはたは微笑む。


「お前はそればっかりか...」


千聖が連れて行かれた事を機に、俺たちも3人一緒に下校し始めた。


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