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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第9章 【初恋】




「って!それでベタ惚れだったなぁ〜まぁ、弟に束縛されてその女の子にもう会えなくなったけど...」


「ふぅん〜そうなんだぁ〜それから弟さんとどうなったか、僕、知りたいんだよねぇ〜」


たはっと、泪はマイペースに頬杖をついた。


「だから何でまた昴なんだよ...泪、今の俺のお話ちゃんと聞いていたか?」


カナエは呆れてため息をつく。


「カナエ...、なかなか甘酸っぱい初恋体験してるじゃねぇか...」


グスグスと、俺は涙ぐんだ。
そして何故か千聖には「わはわは!俺の手のぬくもりをあげちゃおう!」と、肩に手を置かれる。


「こっちはこっちですごい俺の話に感情移入してくれるし...!」


俺の突然の涙に、カナエは驚きたじろいでいるようだった。


「ちなみに、僕の初恋はね〜」


「うおっ!急に瞬の涙が止まったっ...!!」


カナエに突っ込まれた通り、一瞬で涙が引いた。


ーーー泪の初恋...気にな...いや...っ何今更ちょっと初恋再熱させてんだよ俺...!もう終わったはずだろ...っ


ドキドキと、心臓は高鳴り始める。複雑な気持ちとは裏腹に。


「どんな女の子がタイプだったんだ?泪は!」


「女の子?僕の初恋の人は、男の子だったよぉ〜」


ブフゥうううーーーッ!!と、唾を千聖の顔面にかけてしまった。


「あっ!ご、ごめん千聖、っくん!」


「わはわはっ!今日最初の水浴びだなっ!」


ーーーかけた俺が言うことじゃないが、もうちょい気にしろ...千聖...


というかそんな事はどうでも良い。今は泪だ。


「えっ、あっ、あっ、そうなの...!?泪は何も包み隠さず言うなぁ....!」


カナエは完全に面食らっている。


「たはっ、カナエ君だって、弟さんじゃん〜」


泪はうりうり〜とカナエにくっつく。


「だから違ぇって!!」


そんなカナエを他所に、泪はマイペースに語り始めた。ーーー

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