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愛おしい彼は、僕の...《R18》

第9章 【初恋】




「ていうかっ!ずっと気になってたんだが泪!確か.,.千聖...くんだったっけ?俺と瞬が知らない泪の友達黙って連れてくるなよ!」


カナエが、泪に盛大にツッこんだ。


ーーー確かに、最初から俺も違和感を感じていたが...


カナエとは違い、俺は千聖の事は知っていた。学校の図書室で、泪と仲良く喋っていたのを見たことがあったから。


「ま、まぁカナエ、そんなに泪をつっつかなくても...」


と、一応フォローを入れてみる。


「庇わなくてもいいよぉ瞬くんっいつもの事だねえこんな事〜」


急に顔を近づけられ、たはっと泪に笑われる。


ーーーだから...!無闇に俺に近づくなって...


「......そろそろ俺は喋ってもいいかぁ!泪ぃ!!」


千聖は、ぷはぁ!と息を吸った。


ーーーこいつ...今まで呼吸止めてたのか...?...何で?千聖って奴は、噂通り変な奴だ...。


「うん、いいよぉ千聖くんっ!あら〜息止めちゃったんだねぇ...2分13秒くらい止められたんじゃない?」


俺たちの会話に加わってなかった間、何故呼吸も止めていたのかを突っ込むような人じゃない、泪は。


ーーーというか泪も何でその時間計ってたんだよ...


「おおっ!!数えててくれたのか!!ありがとうっ!!」


がしっ!と、千聖は泪の手を握った。


「や、やべぇ...千聖...くんだったけ...泪...お前と仲良い奴って、やっぱり変わってるな....」


と、カナエは困惑している。


そんな3人をよそに、ほっと息をつく。


ーーーなんだ、千聖"くん"呼びか。


泪は大抵、みんなにくん付けをする奴だ。泪と小学生の頃からの付き合いの俺だっていまだに瞬"くん"だし。千聖と泪は、ただの仲の良い知人程度だったらしい。


「それで...カナエ...お前の初恋の話、聞かせてくれよ」


なんとか話を本題に戻す。泪の初恋の人を聞く前に、ワンクッション置かせてもらおう。


カナエは、自分の顎をさすりだして語り出す。


「ああ...俺の初恋はなぁ...」


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