第7章 【彼氏】
ーーーという事が、1ヶ月前にあったもんねぇ...
むくれ顔が可愛い雷のほっぺをつつこうとした。
だけど、すぐに指を戻す。
あれから、手を繋ぐのは出来るようになったけど、キスは...まだ恥ずかしい。
そして、ほっぺたをつつこうとするのも...
カナエ君や瞬君にはできるのに、雷にはできないねぇ...
「ごめんねぇ雷っ」
ちょっと照れ臭くて、控えめに笑う事しかできない。
僕のそんな表情を見て、雷は顔を背ける。
「でも...照れて口が悪くなったって、俺は別にいいよ...」
「え...?」
「照れて乱暴になっちゃう泪を見れるのは、俺だけでしょ?」
と、雷は満面の笑顔を見せてくれる。
「やめて...また、僕、ま...また気絶するよっ!」
顎を引いて、長い髪の毛で赤くなった顔を隠そうとした。
「...ごめん...言葉ででもそうなっちゃうんだもんな...泪...」
ちゅっ♡と、僕は雷の頬にキスをした。
「るっ...泪...ッ!?」
雷は、目をまんまるにさせていた。
「だから...ちょっとずつこういうのも...ねぇ?」
赤くなった顔で、僕はふふふと控えめに笑う。
若干頭がくらくらしてきた。そんな僕にいち早く気づき、雷が僕の腕を掴んで支えてくれる。
いつか...いつか、触れられても平気になるまで雷と触れ合っていこう。
ちょっとずつ、ちょっとずつだねぇ...
完