第7章 【彼氏】
「!!!」
雷は緩んだ縄跳びから脱出し、空くんから離れる。
「ねぇ...泪の事で相談したくなったら、いつでも僕のお部屋にきてねぇ」
空くんは穏やかに雷に微笑み、僕の頭を撫でてから部屋から出て行った。
「なんだあの、人の人生を破滅させそうな、魔性的なお兄様は...いつのまに連絡先手に握らせてきたし....」
そして、僕は雷の顔をじっと見つめた。
「空くんはモテるからねぇ、ドキドキしちゃうのも無理ないよっ」
ふふ、と微笑む。
「完全に否定できねぇのが...!恐ろしい...!つーか泪っ彼氏の俺が、自分の兄にそんな感情抱いてもいいのかよ...」
「空くんとっても魅力的だからねぇ..僕も大好きっ♡」
たはっと、僕は微笑む。
「...空さん何気に泪で昇天したって言ってたし...まさかアレ的なアレじゃないか...!?でも...実の弟にっ!?」
「ん〜?」
と、ちょっぴり近付いた。
そしたら、キスされる。
「ッ...ら...雷...ッ!」
みるみるうちに、顔が真っ赤になる。
「空さん相手でも、泪、浮気しちゃ駄目....!」
ーーー雷、すごい、格好いい.....っ!
「................や.....やめっ....ろ..........................っ」
と、言葉遣いが荒くなり、雷の腕の中でとうとう、きゅうっと意識が遠のく。
ーーー浮気なんて、する訳ないねぇ...
気絶してしまう位、雷が好きだからねぇ...
「泪...っ!おい泪...!しっかりして...!」
僕はそのまま、とうとう気絶してしまった...。