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明星の意思、常闇の暁光【TOV夢】

第1章 【第1話】ニートを拾って


「勝手に人ん家漁るんじゃねええええ! 泥棒か貴様は!
否、RPGの勇者のソレに近い!」

「レモングミか、せめてアップルグミあたりあれば、楽でいいんだけどな。
ここに来る前に全部使っちまったし、あり合わせで我慢しろよ」

「なんで糖分が出てくるんだ。人の話聞けよ、おい!
つか、当たり前のように部屋のもの物色した事に罪悪感を抱け! その露骨にセクスィーな胸に!
せめて一言断らんかい! 見られて困るものとかあったかもしれないでしょ!」

「お前の部屋の物じゃないんだから、構わねえだろう」

「……入ったのか、私の部屋」

「タンスの引き出しに、お前サイズの白くてヒラヒラした物がたくさんあったな。
ほー、見られて困るものってソレか」

「お、おまああああああっ!!」

「はいはい嘘嘘。手当て手当て」


恥ずかしさのあまり掴みかかろうとするも、両肩を捕らえられて敵わない。
彼はそのまま私を後ろ向きに正座させて、救急箱を漁り始めた。


「怪我人が暴れるんじゃないぞー。
オレが勢い余って押し倒したらどーすんだ」

「押し倒すなよ」

「ものの例えだ。目が怖いぞ。
シップ、シップは……これか?」

「違う違う、それ肩こり用の。捻挫とか打撲用のは、その青と緑のラインが入ったヤツよ。
ねえ、ユーリ、いいよ。私自分で貼るから」

「オレがやるったらやるの。ほれ、左肩、お兄さんに見せてみろ」


異性に見せろといわれて、おいそれと脱げるわけがない。
一応お兄さんも女の子の気持ちが汲めるのか、辛抱強く説得を続けた。


「全部脱げって言ってるんじゃないんだ。少しずらすだけでいい」

「だ、だって」

「お前だって見てただろ、俺が戦い慣れてんの。
怪我の治療だって、素人よりはましだ。
きちんと処置せずに痕が残ってもいいのか」

「それはちょっと……」


ユーリの言うとおり、痕が残って、見る度に襲われたことを思い出すのは嫌だ。
出来うる限りはしておきたい。
医者にみせようにも、明日から土日は病院閉まっているし。
羞恥心を抑えて、左肩のみ露にしてみる。


「早く済ませてね。でないとトイレに篭城するから」

「女の子が便所に篭るのはどーかと思うぞ」

「あそこしか鍵ついてないから仕方ないじゃないの。
現在進行形で女の砦を崩されようとしているのに、トイレも便所も乙女もない」
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