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月の祈り

第1章 目覚め


その日の夜、私は自分の力がどこから来たのか、何のために存在しているのかを必死に考え続けた。

しかし、どれだけ考えても答えは見つからず、疲れがどっと押し寄せてきた。

心の中で何かを掴もうとするけれど、どうしてもつかめない。

そんな思いを抱えながら、いつの間にか深い眠りに落ちていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

翌朝、ふわっとした感触が頬に当たる。

目を覚ますと、黒い子猫が私に寄り添って寝ていた。

「えっ…?」

完全に目を覚まし、びっくりして起き上がると、子猫も目を覚まし、ゆっくりと伸びをして、そのまま私にすり寄ってきた。

まるで安心しているかのように、ふわふわとした毛が私の腕に触れる。

「...君も1人なの?」

私は思わず口にしていた。子猫は何かを感じ取ったのか、嬉しそうに鳴いた。

「にゃーぅ」

「じゃあ、君の名前はあずき!よろしくね。」

私はそう言って、子猫を優しく撫でた。

あずき、と名付けたその子は、嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らしながら、私の手を軽く舐めてくれた。

しばらくあずきを撫でていると、遠くから「ヒツキー!」と私の名前を呼ぶ声が聞こえた。

驚いて顔を上げると、洞窟の入り口近くにパイロの姿が見えた。

小さなカゴを手に持って、周りをキョロキョロと見回している。

私は急いで立ち上がり、洞窟の外へと出た。

パイロは周囲の様子をうまく捉えられずに、手探りで私を探しているようだった。

「パイロ!」

私は彼に近づき、優しく声をかけると、パイロはふっと顔を上げ、私の方を感じ取るようにして微笑んだ。

「ヒツキ…よかった、見つけた。」

「おはよう、パイロ。」

私は彼の手を取って、支えるようにして歩き始めた。

パイロは少し驚いた様子だったが、すぐに私の手を信じて歩き出した。

私も彼を支えながら、洞窟の前に腰を下ろした。

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