黒バス triangle SS~secret story~
第7章 キセキと人狼をやってみました。
昼。
どうしよう。
今絶対凄くわかりやすく動揺しちゃった。
六回戦目にして初めて騎士が守りに成功した。
真くんは騎士だったのか…。
でもこのターンさえ…この昼さえ過ぎれば勝てる。
「緑間っちは人間ッス!」
「緑間くんは人狼です。」
「「ん?」」
2人の声が全く違う意味を持ってハモる。
少しだけ安心した。涼くんが占ったのが私じゃなくって。もしそうなら終わりだった。
「俺は人間なのだよ!」
「そう言ってる方が怪しいです。」
「でも占い師であるこのオレが!緑間っちを人間だって言ってるんすよ!」
「人狼が2人とも占い師を装うことだってあります。もしかしたら紫原くんは狂人で、黄瀬くんと緑間くんが人狼かもしれませんよ。どう思いますか、茶倉さん。」
ふいにテツくんの目が向けられる。
その目が全部教えてくれた。
私が人狼だと気がついていること。
テツくんが本当に狂人であること。
そして私1人じゃ出来ない、勝つための方法を。
(わかった。)
その通りに動くね、テツくん。
「テツくん、それっておかしくない?もし2人が人狼だったらもう終了してるはずだよね。」
「まさか…」
「黒子っちが…!」
私は事実しか言ってないのに、2人は勝手に疑い出す。
ミスディレクション。ここでも使われるとは思いもしなかった。
テツくんは最初から私が人狼だと気がついた上で、初日から布石を打っていた。
一日目に占い師であると嘘をつくことで少なからず注目を集める。
二日目にはなるべく口数を減らして、一度注目を他へ逸らす。
そして今日。一気に注目を集めれば、一点に定まっていなかった疑いも集まる。
そうすれば人狼である私を隠し、尚且つ自分を人狼のように見せて殺す策に出れる。
(ミスディレクションにこんな使い方があったなんて!)
ゲーム中だって事も忘れて感心してしまう
2人は結局、テツくんの策から抜け出せなかった。
昼間にテツくんが処刑。
そして私が夜に騎士である真くんを食べた。
そしてそのままゲームは終了。
人狼側の…私、あっくん、そしてテツくんの勝ちが決まった。
私は安堵の息をついた……ーー