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黒バス triangle  SS~secret story~

第7章 キセキと人狼をやってみました。







夜。

顔を上げる。
同じく顔を上げた、あっくんとまた目が合う。
違うことと言えば、先ほど伏せていた大くんがいなくなったことくらい。

あの後、大くんは反論しようとした。
そしてその上で、持ち前の直感を発揮しようとした。

((マズい…))

とこれまた直感的に悟った私たち人狼であったが、幸運なことにそこで時間切れ。
結果的に大くんが処刑された。
そして今に至る。







(涼くん?)

私は占い師を指して首を傾げる。
あっくんはそれを否定するように、横に首を振った。

その目は今そのタイミングではないと言っているようだ。

たしかにここで殺してしまっては、昼にあっくんかテツくんが殺される可能性が広がる。

それは避けたい。私1人じゃ勝てる気がしないから。

私があれこれ考えていると、あっくんがさっちゃんを指差した。

私はその判断に身をゆだねて、ゆったりと頷いた。



















昼。

残るは5人。

人狼が2人、狂人1人、占い師1人、そして不明1人。

つまりここで人間を殺せれば人狼側の勝利となる。


(狂人と協力すれば…)

3対2。人狼が勝てる。
でもその一方でもう一つの考えが浮かんだ。

(もし、もしも…テツくんが人狼を騙すために狂人を演じている人間だったとしたら…?)

もうわからなかった。
なにが本当か、嘘か。それがゲームを面白くも、恐怖にもさせている。

疑いは次の疑いを招く。

(もしテツくんが人間だったら、人狼をあぶり出そうとしてるって事?いや、でも…うんんテツくんの観察力ならできそうかも…だったら狂人は誰になる……?)

「…ら!……茶倉!」

「え、どうしたの真くん?!」

突然の真くんの声に飛び上がる。

「お前はどう思う。」

「え、なにが?」

「ちょ、優っち!聞いてなかったの!」

どうやら涼くんがなにか言ってたみたい。

本物の占い師の涼くんが言うことは私たち人狼を追い詰めることだろう、とコンマ1秒で気を引き締めた私は涼くんの話を聞くことにした。

なにを言われても平静を装って、冷静に演じるんだ…!



「ごめんなさい、考え込んでて…状況説明してもらえるかな?」



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