黒バス triangle SS~secret story~
第7章 キセキと人狼をやってみました。
夜。
私はゆっくり顔を上げる。
そうすればもう1人と目が合う。
あっくんがにやりと笑ったのに対して私も笑みを返した。
この村に紛れ込んだ人狼、それは私とあっくんであった。
ドクンドクンと心臓が大きな音を立てる。
隣に座るさっちゃんに聞こえるんじゃないかってくらい。どうにか落ち着こうと思って、確認の後ずっと目を閉じていた。
昼。
「みどちんは人狼じゃなかったよ~」
真っ先に仕掛けたのはあっくんだった。
「ちょっと待つッス!占い師はこのオレッスよ!」
涼くんがすかさず割って入り、「ちなみに青峰っちは人間ッス。」と付け足した。
「ちなみにってなんだよ。」と大くんは少し不満そうな様子を見せた。
「2人ともなに冗談を言ってるんですか。占い師はボクです。茶倉さんは人間でした。」
「ちょっと待つのだよ!誰が本物だ。」
「疑うの?ひねりつぶすよ。」
「オレッスよ!」
「だから2人とも冗談はよしてください。」
この会話から大体がわかったよね。
あっくんは私と同じ人狼。
そして私を人間だと言ったテツくんは占い師ではない。つまり狂人。
よって残った涼くんが本物の…。
ここまで考えが及んで、今後どうするのが一番いいか考えた。
「じゃあこん中から選ぼうぜ。」
と大くんが言ったので、内心焦るが、それを悟られないように平生を装った。
「ちょっと待って!この中に人狼がいても確率は三分の一…しかも占い師が死んじゃう可能性もあるんだよね。」
私は咄嗟にそう言った。
人狼の私から見れば、名乗り出なかった側から指名された方が確率が減る。
その一方、人間からみれば占い師を殺すリスクを避ける、極々普通の考えに見えるだろう。
さて、人間さんはどうくるかな?
「俺も茶倉に賛成だ。ここで占い師を殺すことは避けるべきだ。」
「私もそっちの方がいいと思うよ。」
「はぁ?そっちの方が人狼を殺せる確率が高いんだったらいいじゃねぇか。」
大くんの言葉にドキリとする。
でも。
「もしかして峰ちんが人狼で占い師を殺そうとしてるんじゃないの~。ってことは黄瀬ちんも嘘ついてるって事にもなるけど。」
あっくんのその言葉に状況が一転する。
「オレじゃねぇ!」と大くんが言い張るがもうあっくんの策の中だった…