第7章 キセキと人狼をやってみました。

夜。

まあ当然、大くんを守っておこうと思う。

大くんが占い師だって信じると、人狼はさっちゃんか涼くん…

でもさっちゃんのさっきの様子だと人狼っぽくないから涼くんなのかな？




伏せてる時間は１人で暗闇を過ごさなければならないので、色々なことを考えてしまう。

それぞれの人間性。
話すときの癖。
ちょっとした演技。

それを含めての時間なんだろうな。
なんて奥深いゲームなんだ。

そしてみんなを敵にしたくないって改めて思った。





















昼。


「殺されたのは優だ。」

「ええ、私か…」


大人しく席を立った私は部屋の隅にいたテツくんと真くんのところにいった。

「ねぇ、テツくんは人狼だったの？」

「はい、そうです。」

「じゃあ大くんが本当に占い師だったのか…！」

「いや、それは違うのだよ。」

真くんの言葉にさぁっと血の気が引く。

「え、嘘、じゃあ…」

「俺が占い師なのだよ。」

大くんは狂人なのか…！

「まあ、茶倉さんの読み通り、勘は鋭いですけどね。」

確かに、また人狼を当てたって事だよね。
凄いな大くん…

「え、じゃあもう１人は？」

「それは…」


目を向けると、誰が人狼かがよくわかった。





なぜかって？

一回目と同じ事になっていたからだ。

人狼と狂人とが人間を殺す図。





狂人である大くんと……























人狼であるさっちゃんが口を三日月型にして笑った。





「あの二人はお互いが何であるかわかったみたいですね。流石幼なじみというべきでしょうか。」


涼くんの焦り声が遠く聞こえる。


「これでボクたちの勝ちです。」

テツくんが私と真くんに向かって勝ち誇るように笑った。


あっくんは丁度お菓子に満足したところようで、「なになに～どうしたの～」と状況が飲み込めないようだった。

















…ん？



ちょっと待って。










「私、人狼と狂人を守ったってこと？！」