黒バス triangle SS~secret story~
第5章 素直じゃない心
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「新入生代表、橘紅子。」
「はい。」
この時もあたしは挨拶をそつなくこなすつもりだった。
……日常が変わるなんて考えてもいなかった。
だが壇上にて、あたしは1人の同級生から目が離せなくなる。
後で知ったその名は宮地清志。
他にも印象に残るような人はいた。
でも一番印象に残っているのはやっぱり、『あいつ』なんだ。
何て言うんだろう。
やる気って言うのかな?
あたしには無いものを感じたんだ。
「私はこの学校で変わりたい。なにかに打ち込んで、誇れる自分になりたいです。」
いつの間にか、あたしの口からは台本にはない言葉が出ていた。
(あいつと関わったら、何かが変わるかな?)
そんな淡い期待を胸に。