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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第7章 運命の人


 
 あの後も蜂楽はなんだかんだ小学生やコーチ陣に捕まり、質問攻めにあったり、写真を撮ってあげたりしていた。瞬く間にサッカー少年の憧れの人。


「利き足を軸足の後ろに回して…??」
 これどうやってボール蹴るの?むっず!!
 動画を見ながら、初心者では到底無理なラボーナを柚が練習していると、蜂楽が戻ってきた。やっとお開きらしく、小学生たちは蜂楽に手を振って帰って行った。

「何やってたの?」
「ラボーナ?の練習」
「柚ちゃんにはまだ無理だよ。下手くそなのに」

 蜂楽はにゃははーと笑う。自分はできるからって。
「はいはい!どうせ私サッカー下手だし!」
 ボールをかごに戻す柚の後ろを蜂楽は付いて歩く。

「拗ねた?」
「拗ねてない」
「柚ちゃんは可愛いよね」
「…っ」

 こいつ私のどこが好きなんだろう。揶揄ってるだけだったりして。


 びゅうっと強い北風が吹いた。まだまだ寒い。
 蜂楽は柚の手を取り、指を絡める。
「ちょっ…!」
「寒いし近くでお茶しよう♪柚ちゃん」

 近くのカフェに入った二人。蜂楽はマシュマロホットチョコレートを美味しそうに頬張る。
「あまーい♪うまーい♪」
 激甘そうだな、とホットカフェオレを飲みながら柚は蜂楽を見つめる。きゅるんとした笑顔。

「おいしいよ。柚ちゃんも飲む?」
「いい」
 カフェオレで温まったし。

「これもおいしいけど、柚ちゃんがくれたココアはもっとおいしかったな」
「ああ…」
 そういえばそんなこともあったっけ。すごく昔のことに思えるけど。
「あの時から、俺は柚ちゃんがずっと好きなんだけど」
 
 ゴホッ、と柚は思いきりむせ込んだ。しまった、油断してた。
 大丈夫?と蜂楽は柚を覗き込む。
「だ、大丈夫だから…」
 そんなに顔を近づけるのはやめて。


「ヒナちゃんの方が可愛いじゃない。仲良くなったんでしょ?」
「…俺あいつ嫌い」
 蜂楽は舌打ちして明らかに不機嫌そうな顔になった。
 まずい。地雷だったのかな。
「そ、そう…」
「もういい加減、柚ちゃんの返事が聞きたい」

 
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