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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第7章 運命の人



(告白されたんだよね?2回も)

 私が蜂楽くんに持っている感情ってなんだろ?
 友情?それとも恋愛感情?

 そもそも今まで色恋沙汰に興味がなかったのだ。育った環境のせいか、自分一人で人生を生きていく将来のプランしかない。学生の間も大人になってからも、何となく恋人や結婚相手など現れない気がしていた。

 それなのに。

「柚ちゃーん!!」
 幻聴まで聞こえてきた。どうしよう。
「柚ちゃん、おーい。今、何してんの?」
 一瞬ハッとして柚は顔を上げる。数メートル先にゆっくり蜂楽が歩いて来ていた。
「蜂楽くん…!?」

 なんでここに、と言う前に一目散に小学生たちが蜂楽に群がった。近くにいたコーチ陣や保護者も、ブルーロックの選手だと気づいて一斉に騒つく。

「ばちらだ」
「ばちらめぐる!」
「一緒にサッカーしてください!蜂楽選手!」

「にゃにゃ?サッカーする?いいよ!」

 蜂楽は二つ返事で快諾して、手足を伸ばしてストレッチをする。
 蜂楽一人と小学生三人のチームに分かれて、キックオフ。先頭にいた一人からボールを奪うと、飄々とドリブルで二人を抜かして最後は右足を左足の後ろに回してシュート。吸い込まれるように入ったボールがゴールネットを揺らした。

 さっと鳥肌が立った。さっきと周りの空気感が違う。みんなが蜂楽だけを見ている。
 今の何?なんか難しいこと、簡単にやってのけた気がする。
「ラボーナ…」
 いつの間にか隣にいた兄が動画を撮りながら息を呑んで呟く。
 サッカーの技とか知らないけど、その動画は後で送ってもらおう。
 本当にサッカーをしている時は別人みたいでかっこいいと思ってしまう。

「蜂楽選手!もう一回!」
「さっきのシュート教えて!」
 小学生たちの羨望の眼差し。なによ、私この子たちにさっきまで馬鹿にされてたのに。

「ごめんね。俺、大事な用事があるから、また今度ね♪」
 大事な用事ってなんでしょうか。嫌な予感。

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