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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第3章 修学旅行


「蜂楽くん!びっくりさせないで」
「委員長、入れてくれてありがと!一緒に動画見よ!サッカーの!
あれ?もう1人の子いないの?」
「彼氏に会いに行くんだって。蜂楽くん、どうやってきたの?」
 蜂楽は指でまっすぐ上を指す。

「おれの部屋、ここの真上」
「上から飛び降りたの?危ないよ。それにさっき先生に怒られてなかった?」
「あー、部屋でリフティング始めたら同室のやつに怒られて、その後騒ぐなって先生が怒鳴り込んできてさー」
 そりゃ怒られるでしょうよ。同室の子に同情する。

「そんなことより動画見よ!ここ座って!」
 蜂楽は柚のベッドの上にあぐらをかいて、隣をポンポンする。仕方なく隣に座ると、スマホで動画を再生し始めた。ヨーロッパで活躍する選手のゴールを集めたものらしい。
 メッシ、ベンゼマ、ノエル・ノアにスナッフィー。その中に一際目立つピンクの髪の選手。
「この人、知ってる。糸師冴。すごく上手くてかっこいいよね!」
「糸師冴はそりゃ上手いけど」

 蜂楽は頬を膨らまして少し不機嫌な顔。もうちょっと食いついてくれると思ったのに。日本人が海外で頑張ってるんだから、すごくない?
「蜂楽くんはどの選手が好きなの?」
「強いやつ、みーんな。やっぱ強いやつと一緒にサッカーしたいよね。あ、今の見た?すっげぇゴール!」
 無邪気にはしゃぐ蜂楽を見ていると本当にサッカー好きなのが伝わってくる。

(やば、睡魔が…)
 動画を何個か一緒に見たあと、柚はあくびする。蜂楽はまだまだ元気そうなのに。だめだ、眠い。
 たくさん歩いて疲れたのもあっただろう。堪えきれず、後ろに倒れる。
「あれ、委員長?あ、寝ちゃった…」
 遠くで蜂楽の声が聞こえる。ごめんね、もう無理。

「おやすみ、柚ちゃん」
 その声は夢か現か。

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