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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第3章 修学旅行


 柚がトイレに離れた間、蜂楽はベンチでサッカーの動画を見ていた。3泊4日もサッカーボールに触れないなんてあり得なさすぎるので、ボストンバックにボールは入れてきている。寝る前にリフティングしよっと。
 ノエル・ノア、やっぱかっこいい!とスーパープレイ集を見ていたら柚が戻ってきた。
「ノエル・ノア?」
「うん!すっげーよな!委員長知ってたっけ?」
「バロンドール取った人だよね。たまにお兄ちゃんと海外の試合見てる」

 今年の夏、蜂楽がサッカーを楽しむ姿を見て、少しだけサッカーに興味が湧いた。兄と試合を見ながらルールを聞いたり、有名な選手を調べたりしている。
 最近、兄は地元の少年サッカーチームの手伝いをするようになった。
 兄妹ともに蜂楽に影響を受けていて、何だか恥ずかしい。
 蜂楽は嬉しそうに、おすすめ動画送るね、と言ってスマホを操作した。直後に柚のスマホがぽこんぽこん鳴る。あとで見よう。

「せっかく京都に来たんだし、お寺か神社行く?」
「いいよ!委員長の行きたいとこで!」
 そう言われても和菓子屋ばかりしか調べてなかった。近くに何かないかな。ガイドブックをパラパラめくる。
(あ、ここよさそう)


 白峯神宮はスポーツの神様が祀られていることで有名である。サッカー選手を始め、アスリートが参拝に来ることも多いのだとか。
「いいね!スポーツの神様♪気分上がる♪」
 我ながら蜂楽にピッタリの神社だと思う。ご利益あるといいな。
 お賽銭を入れて、2人同時に手を合わせる。
(蜂楽くんがプロサッカー選手になれますように)
 きっと、きっと、なれますように。お願いします、神様。

 売店にはスポーツの関係のお守りが並んでいた。ご利益にあやかりたい。
「わぁ、お守りもたくさんある。可愛いね。蜂楽くん、これどう?」
 柚が蜂楽に選んだのは、青地にサッカーボールの刺繍がしてあるお守り。闘魂守、だそうだ。
「ありがとう!一生、大事にするね!」
「一生は大げさだよ」
 お守りひとつでこんなに喜んでくれるなんて。蜂楽の笑顔が柚は好きだ。まっすぐで眩しいから。

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