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隣の席の蜂楽くん【ブルーロック】

第2章 夏休み


 花火大会当日。

 柚は朝顔柄の浴衣を祖母に着付けしてもらった。髪もおだんごにして、祖母から借りたかんざしを付けた。浴衣なんて気合い入れ過ぎかも。でも男の子と二人きりで出掛けたことなんてなくて、何が正解かわからない。
 駅で蜂楽と待ち合わせると、15分以上前に着いてしまってそわそわしてしまう。

 蜂楽は時間ぴったりにやってきた。Tシャツとオーバサイズのジーンズのラフな格好。流石に今日はサッカーボールは持ってきてなかった。 
「やっほー、委員長!浴衣だ、かわいいね♪」
「そうかな。おばあちゃんに着せてもらったの」
 蜂楽は他意なくかわいいと言ってくれても、こっちは変に照れてしまうから、うちわでさっと顔を隠した。
 花火大会の会場はたくさんの夜店で賑わっていて、蜂楽は真っ先にわたあめを買ってご機嫌だ。

「りんご飴おいしそう」
「いいね♪買おっと」
 さっきまでわたあめを食べていたところなのに、本当に甘い物が好きなんだなぁ。

 カランコロンと歩き慣れない下駄が音を立てる。
「足大丈夫?休憩する?」
 柚が歩くのが遅いからか、蜂楽が気遣ってくれた。すぐ近くに神社があり、途中の階段に座って少し休憩する。
 柚は買ったばかりのたこ焼きのパックを開ける。ほかほかでおいしそう。

「おいしそうだね」
「1個、いる?」
 うん、と蜂楽は頷くと、口をあーんと開けた。柚が持っていたたこ焼きとつまようじに添えた指まで口に含む。

(ゆ、指まで食べられた!??)
「うまぁ♪」
 蜂楽はきゅるきゅるの笑顔。こんなあざとかわいい生き物、手に負えない。
「もう1個食べていい?」
「ど、どうぞ」
 パクパクと蜂楽が半分ぐらい食べてしまった。
 
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