She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第17章 いっしょのよる
しん、と静かな部屋で、侑士は椅子の背もたれに背をつけた。
「いつ行くん?」
「来週には」
「急やねぇ」
ごめんね、と言う顔を見ず、ええんちゃう?と自身の指先を見下ろす。
「もう決めてんやろ?
今更どうこう言えへんわ。
自分の好きにしたらええ」
「でも、」
「『いやや』言うほど子どもちゃうて。
永遠に会えへんわけちゃうんやから」
「本当にいいの?」
「恵里奈には、自分で言いや?」
「わかってる。
本当にいいの?」
「くどいて。
そないに心配なら、今、呼んで話しつけよや」
テーブルに置いていた自身の携帯を手に取り、連絡先を探す。
「そんな、今のすぐじゃなくていいじゃない。
ちゃんと私から話すから」
「...わかった」
話、そんだけか?とテーブルのマグを手に取る。
「詳しい日取りわかったら、また伝えるから」
「ん。」
淹れてもらった紅茶は、すっかり冷めてしまっていた。