She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第15章 さよなら、初恋
テニス部所属。
海外交流委員会。
誕生日は10月15日。天秤座。
数学、化学は毎度クラス1位。
と言うか、ほとんどの教科で98点以上。
苦手教科は無し。
強いて言えば、逆上がりができない、らしい。
どうやらお姉さんが一人いるらしい。(未確認)
恋人の有無 不明。以上。
「いや、普通に聞けばいいじゃん。
『彼女作らないの?』って」
そう言ってのけた友人。
「まともに話したこともないのにぃ?」
「えっ?無いの?」
同じクラスになったのに?と驚かれる。
「話せないよっ
もう、そこにっ視界にいるだけで、もう、ッハー!なのにっ
声かけるなんてっ話すなんて、無理っ」
「ストーカーかよ」
なんで誕生日知ってんの?と聞かれる。
「向日君が言ってた」
「うん、アンタのおっしー情報、殆どソースがむかひーじゃない?」
この前も言ってたな、とジュースを吸い上げる友人。
「そんなことないっはず!」
あとはっ、と続ける。
「て、照れると耳が赤くなるっ」
「なにそれ?照れるとかあんの?彼」
虚無っみたいな顔しかしてないのに、と言う。
「いや、一歩間違えたら悪口だよ、それ」
「別に私はおっしーに興味はない」
中等部時代の一部の女先輩方が呼んでいた彼の渾名を呼ぶ。
「ほら、来たよ。
愛しのおっしーが」
ん、と友人が指さす先の姿。
指差さないのっ!とその手を掴んだ。
「相変わらず何考えてるかわからん顔だわー」
だからそれも悪口だよ、と言っていたら、斜め前の席に座った。
「ねえ、おっしー」
突然話しかけた友人に驚く。
「なんやん?」
椅子の背もたれに腕を掛けて振り向いた彼に、心音が高鳴る。
「『おっしー』って誰が言い出したの?」
友人の問いに、知らへんよ、と少し笑う。
「よっぽどないで?そう呼ばれるん
呼んどったん、女テニの先輩方だけや」
「じゃあ、普段、なんて呼ばれてるの?」
ちら、と目線を向けてきた友人に気付かず、えー?と考えている。
「岳人は、『侑士』呼ぶな。あとは『忍足』やね」
「彼女できたら、なんて呼ばれたい?」
友人の質問に、なんやそれ、と笑った。
「恋愛相談されたかて、応えられるほど経験ないで?」
「うっそだー」
「どういう意味やっ」
適当言いなや、と笑った顔が、やっぱり好きだった。
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