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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第47章 元カノ〜邂逅〜



放課後。

氷高祭で中等部生向けに行われるエキシビションマッチのトーナメント表が発表された。

「ダブルス、無いのかよ?」

トーナメント表を見て、不満そうな向日が跡部に聞く。

「ダブルスまでやってる暇がねぇんだよ。
 先の校内選抜で、レギュラーもしくは準レギュラー候補組に入った1年の最終選考を兼ねて、この試合でオーダーを決める。
 シングルトーナメントで、勝ち残ったやつだけがオーダー入りだ。
 ダブルスに関しては、このエキシビションを参考に、後日、また選考する」
「『エキシビション』言うといて、実態は選抜試合やん」
「そうだ。気を抜くなよ」

マジか、と向日は跡部からトーナメント表へと視線を戻した。
1回戦は、全員、同学年と組まれていた。
ダブルスパートナーである向日は、トーナメント表の真逆側。
まず、当たることはない、と少し、安堵する。

(初戦は、)

筧 尋(1年)。

誰や、と顔が浮かばないでいると、肩を叩かれた。

「初戦よろしく、忍足」
「よろしゅう」
「初戦から君とは、僕はツイてないね」

筧の話し方が、(どっか滝と似とるな)と侑士は思った。

「忍足は、中等部でもレギュラーだったね。
 僕、高校からの『外部生』なんだけど、君のことはよく知ってるよ。
 お手柔らかにね」
「お互いに、やで」
よろしくね、と笑う筧。

筧 尋は、高等部からの氷帝生。
中学テニスでその名前を見聞きした覚えはない。
何もデータがないな、と考える。

部活が終わる頃、見計らったように真珠からメッセージが届いた。
ちょうどアルバイトが終わったところだと言うので、いつものバス停で待ち合わせようと返信する。

まだ正レギュラーも準レギュラーも決まっていない学年はじめ。
高等部は、実質、3年の5月には引退。
ここでレギュラーを取れなければ、中等部でレギュラーだったとは言え、今後のレギュラー獲得は厳しくなる。

やることは山積みだが、これだけは落とせへん、と今日から氷高祭終了まで部室に張り出されるトーナメント表を睨んだ。

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