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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第46章 宣戦布告っ!...か?



 ✜

真珠と侑士が出ていった後。

うん、と瑛士は残りの食事に手を付け始めた。

「堪忍なぁ、和美」

ちら、と瑛士を見ると、ため息をつく和美。

「いいんですか?
 侑士、本当に困っていたんですよ」
「それだけ本気なんやろ、真珠はんに」
侑士もちゃんと愛されてるやん、と瑛士は微笑んだ。

「あの、パパ?」
困惑した顔の恵里奈は、両親を見た。
「本当に、その、結婚させるの?」
「本人『せん』言うたんやから、させへんよ」

あっさりとした父の返事に、え?と恵里奈は驚いた。

「じゃあ、なんで婚約者なんかっ
 パパ、マコのこと知ってたはずでしょう?」

私、話したよね?と身を乗り出した恵里奈に、落ち着きや、と瑛士は落ち着いている。

「ちょっとテストのつもりやったんやけど、絶縁や言われるとは思わへんかったなぁ」
「『結婚は堪忍して』って、ちゃんと自身の将来のこと考えてるって話した侑士に、『保留』なんて返すからですよ」
「それは、ほれ、あれや。
 可愛い子ほどいじめたなる言う男の性やな」

うん、と頷く瑛士を呆れた目で見る和美。

「ゆうちゃん、あの様子じゃまた帰ってこないでしょうね」
「なんや、家出でもしとったんか?」

「彼女のこと、知ってすぐにパパとビデオチャットした日、ゆうちゃん出ていって帰ってこなかった」

心配そうな恵里奈に、そうか、と瑛士は微笑んだ。

「しっかり『16歳』しとるんや」
「そういう態度が侑士を逆なでしてるんですよ」

はあ。とため息をつく和美。

「しゃあないやん。
 かわええほど、からかいたなるんや」
「侑士を誂うのが楽しいのはわかりますけど、限度がありますよ」
「ちと、やりすぎたか」
「それで婚約者なんて、ありえへん」

パパ、最低や。と娘に言われ、そんな、と苦く笑う瑛士。

「ゆうちゃん、ときーどき、ぶっ飛んだこと考える事あるさかい、やりすぎたら駆け落ちでもしかねへんよ?」
「今時、駆け落ちなんや考えるやつおるんか?」
「パパより昭和頭なら考えるかもねぇ」

そうねえ、と恵里奈に同調する和美。

「そこまでしきらんやろ」
「わからへんよ?
 火事場の底力的な衝動、起こすかもしれへん」

長女の言葉に、ええ、と父は難しい顔をした。

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