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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第45章 『反抗期届』



(そうや、冷静になりや、忍足 侑士。
 オトンはマコトがおるのわかっとる上で断らへんかった。
 それは事実や。
 せやけど、滝の言うように相手...テレーゼ・ロールシャッハはどう考えてんねや?
 婚約破棄やの言われて、成立させられたもんやと思い込んでへんか?俺)

思っているよりも状況は悪くない可能性が出てきた、と、海外交流授業の資料をタブレットで確認する。

テレーゼ・ロールシャッハ。18歳。
ドイツはルクセンブルク在住。
父、母、きょうだいは兄が2人。

(兄貴2人の末っ子...)

タブレットを掴むと、侑士は教室を出た。

向かったのは、生徒会室。
重厚な扉をノックすると、誰だ、といつもの生徒会長様の声。
「俺やけど、」
「なんだ?」
話を聞いてくれるらしい跡部に、部屋へと入る。

「ちょっと、頼まれてほしいんやけど」
なにがだ?と見る跡部の目を見る。

「跡部が知っとるんやったら教えてほしい」
「あーん?なんだ急に」
開いたタブレットを生徒会長席に置いた侑士。
タブレットには、彼女のプロフィール。

「『テレーゼ・ロールシャッハ』」
「が、どうした?」
「こん子、実在するんか?」
「あーん?なに言ってあがる」
チャットでコンタクト取ってんだろ、と侑士を見て、椅子の背もたれに深く背を預ける跡部。

「『海外交流委員』やのぉて、『忍足 侑士』で、『生徒会長』やない『跡部 景吾』に頼みたいねん」
目つきを変えた跡部に、頼む、と頭を下げる。

「俺様の人脈を利用しようとは、考えたじゃねぇの」
その声に顔を上げると、携帯を取り出し、どこかへ電話をかける跡部。

「俺だ。
 大至急、調べてほしいことができた。
 ドイツのイヴァン・ロールシャッハ氏、その息子のギルベルト氏、孫娘のテレーゼ氏。以上3名について、徹底的に調べ上げろ。大至急だ」

さて、と用事が済んだ携帯を机に置くと、なにがあった?と問う跡部。

「『黙って利用されると思うな』言う話や」
「父親とは決着したのか」
「してへん」
それも含め、と机上のペンと白紙を拝借し、デスクの脇で書きものを始めた侑士を見ていた跡部は、バカか、と鼻で笑った。

「ルクセンブルクまでの国際郵便っていくらやっけ?」
「PDF化させてメールしろ」
「頭ええ」

さすが景ちゃん、と侑士は『反抗期届』と書いた紙に署名した。

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