She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第45章 『反抗期届』
「インターハイってやつだ」
「レギュラー取ったんだ」
「ダブルス一枠だけどねっ」
新人戦がいい成績だったみたい、と侑士が教えてくれた大会日程を見直す。
「個人もだけど、学校で勝ち上がれば試合が続くから、試合いっぱい見れそうなんだぁ」
「じゅじゅは彼君がテニスしてるとこ、大好きだよね」
それ、と友人が指さす真珠の携帯。
「ロック解除後の壁紙、彼君?」
「うんっ!
この前、校内選抜見に行った時に、盗撮しちゃった」
「言ってたねぇ。
写真、撮らせてくれないって」
照れ屋さんなので、と携帯を置く。
「学校行くなら、例の元カノちゃんに会うんじゃない?」
はて?と首を傾げる真珠に、アンタねぇ、と呆れ声が返ってくる。
「元カノいたことであんなに落ち込んでたのに、もう忘れたの?」
「え?私、そんなにショック受けてたっけ?」
「違う違う」
手を振る彼女に、なに?と聞き返す。
「じゅじゅは元カノにショック受けてたんじゃなくて、元カノに嫉妬した自分にショック受けてたの」
「あれ?そうだっけ?」
「っあー!あれねっ」
あったあった、と明るい声の真珠に、能天気でいいねぇ、と苦笑いする同期。
「じゅじゅってさぁ、今の彼くんと結婚するの?」
「...へっ!?結婚っ?」
そんなに驚く?と驚く同期。
「だって、うちらもう結婚できんだよ?
親の同意もいらないんだよ」
「...ゆう、まだ16...」
「2年後には結婚できる」
「2年後...」
深刻な顔で俯いた真珠が、ハッ、と顔を上げる。
「タイム・リミット、忘れてたっ」
「は?」
「あれ、でもなんかもう一個忘れてる気がする...?」
「なに?え?彼氏の最初の誕生日無視したとか?」
「それは無い。ゆう、10月生まれ。
絶賛プレゼント熟考中!
あれ、なんだっけ?
18までに...なにか、ゆうのこと...」
あれ?と考え込む真珠。
「あっ!」
「おっ」
「思い出したか」
そうだよ!と手を打った真珠。
「ゆうの婚約者ちゃん!」
「「っはぁ!?」」
それだ!とスッキリした表情の真珠を、2人は驚いた顔で見つめた。
「ちょっ、は?
タンマ!
え?『ゆう』君、婚約者いんのっ!?」
「らしいんだよねぇ」
「「おいおいおいおい。待て待て待て待てぃ」」
息ぴったり〜、と笑う真珠に、言うとる場合かっ!とツッコミが入った。
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