She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第42章 To play
そういえば、じゅじゅの彼って写真と動画しか見てないや、と言う友人。
「高校生なんだよね?」
「高1。10月で17歳」
「どこ高?」
「氷帝学園」
「うわっ、エリート校。ずっと?」
「中学からだよ。
小学校は、関西とかドイツとか引っ越ししてて、いろいろ通ったって」
「ドイツに出身校あるってブルジョワジーじゃん。
親、なにしてんの?」
「お父さんは大学病院の先生?で、今、ルクセンブルクに単身赴任中」
「じゅじゅ、泉深出身だよね?」
どこであったの?聞かれ、彼の姉と塾の友人だったと話す。
「部活は?」
「テニス部」
「ねえ、写真ある?」
侑士を見たことがない友人の言葉に、なんで?と顔を上げる。
「今のところ彼にモテる要素しか無いから、マコが騙されてるんじゃないか、心配になってきた」
「失礼だなっ」
「どっちに?」
「どっちにもだよっ!私にもゆうにもっ!」
騙されてないもんっ、と手帳に挟んでいる先日のプリクラをテーブルに出す。
「プリクラはダメっ!
無加工でっ」
なんでよ、と渋々、携帯のフォルダから写真を探していると、話の話題になっている当人からメッセージが届いた。
-滝、めっちゃ器用や-
滝?と首を傾げていると、続いて送られてきた写真。
「ふふっ」
「どしたん?」
ううん、と込み上げた笑いを落ち着け、前にも別の友人に見せた隠し撮りの写真を見せる。
-借りとったゴム、明日返すわ-
メッセージ新着のバーナーに、ん?と画面を見た友人。
「ゴムって」
「ヘアゴムですー!
最近、髪伸びてきたから結んでるのっ。
クラスメイトに、髪、遊ばれたみたい」
そう言って、先ほど送られてきた写真を見せる。
前髪を後ろに流し、サイドの髪は編み込みにして、後頭部の高い位置で一つにまとめられた髪型の侑士が、無表情でこちらを見ている。
「女の子にしてもらってたりして」
友人の声に、え?と固まる。
「マコ、この『滝』って人、知ってる」
考えてみるが思い当たる顔が無く、ううん、と首を横に振る。
「女の子、なのかな?」
マコ?と聞く友人の声が遠い。
(なんか、なんでだろ。すごく、やだ...)
写真の侑士を、むう、と睨むようにして下唇を噛んだ。
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