She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第42章 To play
「どうしよ。
おにぎりと...なににしよう?え?
はい!お弁当と言えばっ!?」
「え?えーっと...卵焼き?」
あとは?と近くの同期におかずの案を求めた。
「からあげっ!」
「プチトマト?」
「野菜の肉巻きとか」
「枝豆ととうもろこしを爪楊枝に刺したの」
「きんぴらとおひたし」
上げてもらったメニューを、手帳の端にメモを取る。
「デザートあるとうれしいよね」
「フルーツとか?」
「オレンジとかキウイとか今、シーズン?」
「なんか、スポーツ選手向けなもの無いかな...」
携帯で調べる真珠に、ははーん、と取り囲む友人たちがニヤつく。
「「「『ゆう』君ですか?」」」
そうですよ、と携帯に集中する。
「『あのっ試合、頑張ってね。これ、作ってきたのっよかったら』ってやつ?」
「やだっアオハルっ」
キャーッ、と姦しい声に、残念でしたっと返す。
「お弁当作ること知ってますぅ」
「言っちゃったのかよっ面白くねぇなっ!」
「いやっ言葉、強っ。
ゆうが作ってって言ったのっ。お母さん、その日はお弁当作れないし、土日は食堂も開いてないからって」
「じゅじゅ、料理できないわけじゃないよね?」
なにをそんなに悩んでるの?と聞かれ、それがさぁ、と携帯を見せる。
「あら、おいしそう」
きちんとした料理が並ぶ食卓。
「え?いいじゃん。めちゃめちゃ料理できるじゃん」
違うんだ、と携帯をおろす。
「これ、ゆうが用意した夕飯」
「えっじゅじゅじゃないのっ!?」
「作れませんっアクアパッツァなんかっ。
これをよっ!?これを、冷蔵庫開いて、アレあるコレ無い、で買い出し無しで仕上げた彼にっなにを作れと言うっ!?」
ねぇっ!?と聞く真珠に、確かにハードル高ぇ、と友人の笑顔が苦笑に変わった。
「なんの約束もして無くて『今から会える?』で来てくれたと思ったら、強力粉こね回してベーグルサンド作ってくる彼ですよっ!?」
「え?生地から?」
「生地からっ!しかも2種類!
『なんや飲む?』ってフルーツインティー作ってくれるのっ
ティーバッグとインスタントコーヒーじゃなくて、茶葉と豆があるご家庭出身なのっ」
ハードルが高いんじゃあっ!と真珠は机に額を当てた。
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