She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第40章 デートの日2
「跡部さんの写真?」
せやねん、と携帯を操作する侑士。
「跡部は昔から女ん子に人気モンやから。
追っかけで、バズーカみたいなカメラ持っとるような熱狂的な子もおんで」
「バズーカ...」
パパラッチみたいなこんな長いレンズのやつ、と腕を伸ばす。
「中等部ん頃は、フェンス越しにテニコ見れたんやけど、高等部は基本、屋内で外から見えへんから、跡部がテニスしよるところの写真やの動画やの欲しい、って強請られんねん」
どこまで送っとったっけ?と写真をスクロールしていく。
「中等部の後輩ちゃんたちは、高等部のコート、入りづらいて言うから。
ちゃんと跡部本人の許可は取っとるから、盗撮とちゃう」
こんなもんやろ、と写真共有アプリに画像をアップロードした。
「個人的なやり取りは無いさかい安心しぃや」
確認しとくか?と向けられた携帯に、ううん、と首を振る。
「マコトは、俺が女ん子の連絡先知っとってもええん?」
「気にはならないかな」
連絡先知ってるくらいは、と侑士を見上げる
「ゆうは、気になる?」
「ならへん言うたら嘘んなるけど...
『消せ』とまでは、思わへんなぁ」
ちなみに男の連絡先入っとる?と自身の携帯をしまう。
「男性の連絡先という視点なら、父とゼミの教授と図書館の職員さんの連絡先が入ってる」
「事務連絡しか思いつかん面子やん
お父はんに至っては、連絡先知らん言われた方がビビるわ」
あとは青凪、と言った真珠に、あいつはどうでもええ、と首を横に振る。
「また試合してほしいって言ってたよ」
「身長5cm伸びたら考えたる、言うとって」
伸びるかなぁ?と苦笑した真珠は、ねえ、と侑士の手を掴んで見上げる。
「ゆうのファンの子、いたりする?」
「おらんのとちゃう?」
「嘘ついた」
「...かなわんなぁ」
やれやれ、と首の後ろを撫でる。
「手紙もろたりは、無いこともないで」
「それってどうしてるの?」
「キリ無いから返事は書かへんし、貰ったんも3ヶ月経ったら『ごめんやで』言うて捨てとる」
「キリが無いほどもらうんだ」
(あかん。墓穴掘ったか?)
「マコトと付き合うてからは、減ったで」
「え?なんか、それは、ごめん」
「いや、なして謝る?」
「なんと、なく?」
あんま気にせへんのやなぁ、と肩より下にある真珠の表情を見つめた。
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