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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第40章 デートの日2


付き合って欲しい、と真珠に手を引かれて来たのはゲームセンター。

騒音とも言える音響が渦巻く音楽ゲームや格闘ゲームの先は、別空間のように仕切られた可愛らしく、華やかな空間。

「ゆう、プリクラ撮ったことある?」
「姉ちゃんに強引に撮らされたんと、中等部の卒業式後にテニス部で集まった時、滝とガクトが言い出してレギュラーで撮った2回だけやね」

たぶんどちらも手帳にある、と箱型の機材が並ぶ細い通路を進む。

「姉ちゃんに『どっちが盛れとる?』聞かれて『違いがわからん』言うたら、どつかれたことある」
「あははっ!」
「あんなん、わかるかっちゅう話や。
 加工されすぎて別人やんか」
「確かに。
 盛れるやつ、モデルさんみたいになれるもんね」

ナチュラルなやつにしようかなぁ、と真珠が選んだ機種の撮影ブースに入る。

「まぶしい」
「光で飛ばしてなんぼ、ですからっ」

バッグを棚に置くと、んー?と侑士を見上げる真珠。

「髪、結いなおしてもいい?」
「ええよ」

ブース内の段差に腰掛け、ヘアゴムを解く。

「ちょっと編み込んでもいい?」
「任せんで」

耳から上の髪をすくい取り、俯くと垂れ落ちる髪を編まれる。

「うん。いい感じ」
「おおきに」

細かな設定も真珠に任せると、撮影を始めるよっ!と甲高い機械の声。

真珠に合わせたり、機械に指示されてポーズを取る。

「メガネ貸してっ」
「ん?ええよ」

どう?と自分の眼鏡をかけた真珠。

「やっぱ、ア◯レちゃんやん」

んちゃっ!と手を挙げる真珠に、ふはっ、と侑士が笑った瞬間、フラッシュが光る。

「あかん。
 めっちゃ素で笑っとったで、今」

こんな感じに撮れたよ、と液晶に表示された写真は、眼鏡を掛けて見上げる真珠に、優しく笑う侑士の横顔。

「いいよ!いつものゆうの笑顔」
「俺、こんな顔で笑ろてる?」
「うん。ゆうの笑顔って感じ」
「多分、俺に笑顔のイメージあるん、マコトくらいやで」
「そうかな?」

 最後だよっ!カメラに寄って、寄って!

見本の画像では、女の子2人が頬を寄せ合って笑っている。

眼鏡を受け取った侑士は、それを手に持ったまま、真珠の肩を引き寄せた。

「ゆう?」

 3!2!1!

バシャッ!と大げさなほどのシャッター音が鳴る。

しっかりと目を閉じていた侑士の唇がゆっくりと離れた。

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