She is the pearl of me. @ 忍足侑士
第39章 デートの日1
おデート?と聞く彼女。
はい、と返した真珠に、いいね、と笑い、またね、と手を振って行った。
「泉深の一つ上の先輩。
本領 美郷さん。
高校からずっと同じ泉深生。
確か、証券会社の総務をされてるんだったかな」
そろそろ夏も本番になろうかという頃なのに、ダークカラーのスーツを着ている背中を振り返る。
「マコトは、就活、しよるん?」
「もちろん」
そう言えば以前、エントリーシートなるものを見せてもらったな、と思い出す。
「ゆうは進学だよね?」
「ん。大学も、氷帝で進学するつもりや。
選抜推薦、狙う」
「選抜、推薦?」
ん?と首を傾げる真珠。
「氷帝の場合、学部によっては、指定校推薦に学力推薦と選抜推薦の2種類あってなぁ。
学力推薦はまあ、言うて字の通り学力成績で取る推薦。
選抜推薦言うんは、学力推薦で基準になる内申、学力に加えて、部活の成績やとか将来性、まあ家系とか。そないも選考の基準になって門が狭くなる。けど、そっちで通れば学費減免受けれんねん」
選考基準は選抜の方が厳しい、と言う侑士。
しかし、忍足家は学費で家計に困る家庭だろうか?と考える。
「3年後には、オトンもドイツから帰ってきとるやろうし、あの2人やから、離れとった分、仲良ぉしたいやろう」
「和美ママ、瑛士パパとラブラブだからね」
「おじゃま虫なるからなぁ」
「じゃあ、高校出たら一人暮らしだ」
生活のお金もかかってくるからか、と言う真珠の右手を握る。
「一人暮らしもええねんけど」
すり、と指先で薬指の指輪を撫でる。
「同棲も、ええと思わん?」
え?と瞬く真珠に微笑んでみせる。
「まあ、頭の端ーっこに、残しとったらええよ」
そう言って、昼もここで済ましてまう?とメニューを開く侑士に、うん、と撫でられた薬指を自身でも撫でる真珠。
「端っこでええ、言うたやろ」
「そう、なん、です、けど」
突然過ぎて、とランチどころではない様子に、勝手に決めるで?と笑って、目配せをした店員に、真珠が好みそうなメニューをオーダーをする侑士。
(ゆうは、ずっと、一緒にいたいと、思ってくれるのかな)
いつまでもその真意は読み取れそうにない、青みのある瞳をじっと見つめる。
「見つめんといて。照れるから」
「無理」
即答かい、と笑う顔を、食い入るように見つめた。
✜