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She is the pearl of me. @ 忍足侑士

第39章 デートの日1



大きな湖がある公園を二人で歩く。

湖を眺める少し小高い場所にある喫茶店に入ると、天気がいいから、とテラス席に通してもらえた。

「あ、スワンボートがいる」
「乗るか?」
「絶対途中で体力無くなる」

む、と鼻にしわを寄せる真珠。

「体力無いもんなぁ、マコトは」
「普通だよ、普通。
 現役高校テニスプレーヤーと比べないでっ」
「夜もすぐバテるもんなぁ」

テーブルの下で、パンプスの尖った先で脛を突くと、侑士はニコッと笑って頬杖をついた。

「思春期っ」
「せやで。
 真っ只中やねん」
「自分で言うかっ」

アイスのカフェラテを飲んで笑う頬を摘む。

「ゆうって洗顔なに使ってる?」
「えーっと、なんやったっけ?
 今は、なんや、クリームの...ザラザラしとんのが入っとるやつ」
「スクラブ?」
「それや。
 おかんか姉ちゃんが買うやつ使ぅてるから、どこのやったかよう、覚えとらん」
「やっぱり代謝の差?
 まさかの年の差っ!?」
「肌質変わるほど離れとらんよ。
 代謝は、そらええやろな。
 テニスしとるし」

ですよねぇ、と髭の剃り残しも見当たらない顔を眺める。

「なんや?」
「『好きだなぁ』って見てる」

少し上目遣いで瞬きをして見つめてみる。

「誂ぅてるやろ」
「うん」
「肯定するんかいっ」
「かわいいから、つい」
「かわええ、言わんとって」
「かーわーいーいー。
 ゆうちゃん、かーわーいーいー」

こんにゃろ、とテーブルに置いていた手を掴まれて、掌を擽られた。

「今度さ、また試合見に行けたら、応援うちわとか作っていい?」
「やめぇや。
 集中でけへんし、何より恥ずすぎるわ」
「デカデカと顔写真貼っとく」
「ほんまにやらんとってよ!?
 なんや、姉ちゃんと組んで企みそうや...」
「じゃあ、再来年の卒業式に薔薇100本の花束持って行っていい?」
「おう、言うたな?
 持ってきてみぃや?薔薇100本。
 マコトの卒業式にアホみたいにでっかい花束持ってきたるから」
「中に指輪が隠されてるやつね!」
「やってほしいならやったるよ?
 飴ちゃんの指輪やけど」
「駄菓子屋さんにあったやつね」


他愛もない話をして笑い合っていると、湖をぐるりと取り囲む通りから、マコじゃん、と掛けられる声。


「みさとさん」

ちら、と向けられた視線に会釈した侑士に、会釈を返した。
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